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アムルトジャパン ニジェール栄養失調児支援事業

今回、国際ボランティア貯金および日本国際協力財団のプロジェクトのスタートということで、今年の1月に続き2回目のニジェールの土を踏んでいます。プロジェクトは、一言で言えば、野菜栽培を通して、子どもたちの栄養改善と女性たちの*キャパシティビルディングを図る、ということになります。

今回は、プロジェクトのスタートということで、受益者の動きはまだあまりなく、どちらかというと、舞台裏的な話が多くなります。
では、野菜栽培プロジェクトを始めるにあたり、何からしなければならないのでしょうか?

対象の村は、以前から村人によりリクエストがあったところ、近くにすでに始めている人がいて自分達も始めたいと思っているところ、などなど、いままで何らかの形でアムルトへの意思表示をしていた村から選んでいます。

まず、村の長老に話をし、資金が下りて野菜栽培のプロジェクトが始められることになったということを通達します。

次に、興味のある人(主にお母さん達)を対象に、プロジェクトの概要説明をするためのミーティングを開きます。そして、そこで、集まったお母さん達と長老に、他の希望者も集めてリストを作ってほしいと頼みます。

(そこで、「誰がするの?」「字が書ける人がいない」などということになり、みんなざわざわ)

中には、「去年も栽培してみたけど途中から水が出なくなった。あそこの村の畑なら水が出るけど、でも、そちらは使いたくない。」「さらに深い穴を掘れば水が出る。そのために動力ポンプをつけたい」「でも、その燃料はどうするの?」「あんたたち(AMURT)でもってくれ」「それはできないねー」などの押し問答で、またざわざわ。

そのあと、ようやく参加希望者のリストを、約束の日に受け取ることができる訳です。

そして、予定より遅れること約1週間(これでも画期的に早いほう)、6つの村でようやく受益者がそろってきました。
タマ地区:3つの村から、参加希望者400人が集まりました。
カロファネ地区:3つの村から、参加希望者550人が集まりました。

さて、次なるプロセスは・・・

1) ようやく地主に交渉して借りることが出来た野菜栽培予定地には、まだミレットやソルゴなどの穀物が植わっているので、収穫が終わってそこにすぐに苗を植えられるように、前もって苗畑を作りはじめます。まずは栽培に時間のかかるタマネギから。
苗畑は、場所を取らないので、水があるところの傍なら、どこでも構いません。

2) しかし、去年買ったものは古い種で芽の出が悪く失敗したそうで、いい種を売っているところを探すのでまた右往左往。ようやく、Bouzaの近くで種のストックを持っているCDR(政府の農業普及員)から買うことに決定。

3) さて、穀物の収穫が終わってすぐにしなければならないのは、まず土地の区画分けをし、小さなボアホール(直径20センチ、深さ5~10メートルくらいの穴)をほり、そこにプラスチックの管を埋めます。井戸ではありませんが、地下水を汲み上げるのに最も簡単な方法です。そのあとで、そこにハンドポンプが取り付けられます。それも、穴掘りをやってくれる人(業者)をみつけることからスタート。業者の情報がまとまっている訳ではないので、情報収集のために他のNGOを訪ねたり、FAOに聞いたりという感じです。金額、作業時間など、栽培スケジュールやポンプ納入にあわせて動いてもらわなければなりません。

4) その作業と並行して、ポンプ購入の手配をします。しかしこれが厄介で、在庫がない、あってもお母さん達が欲しいタイプのポンプではない、在庫が無いからこれから作るので、注文してから納品まで2週間かかる・・・などなど。これも栽培スケジュールとの調整が必要です。
 (写真はリクエストされているタイプ)

5) ポンプの注文も、Bouzaに比較的近く、運搬の手配がスムーズな業者を見つけなければならず、Bouzaスタッフと、ニアメスタッフと、業者の間の合意がまとまって、ようやく動き出す訳ですが、とにかくすぐに話をつけようにも、毎日のように電話が通じない状態が続いていました(つまり、あまりにも気温が高いので、携帯電話の電波の調子も悪くなり、圏外になってしまう)。これが業務が進まない一番の問題です。こんな感じで、プロジェクトが始まる前というのは、動こうにも動けない状態が続いてきます。

インフラや社会資本の整備も含め、世界で一番貧しい?といわれているニジェールで、新しい事業を展開するのは、なかなか忍耐を強いられるものです。

実は、今回のようにポンプを独自に手配する作業は、アムルトニジェールのスタッフにとっても初めてなのです。来年であれば、前もって注文しておくなど、もっと要領がつかめるのでしょうが・・・

そして今日(10月3日)、ようやくポンプの納入者と連絡が取れ、明日は話をつけにタウア(ブザ県のある州の州都)に行くことになりました。
じつに右往左往させられつつ、こうしてようやくプロジェクトは始まりました。



*キャパシティビルディングとは?

自立支援の1つですが、どちらかというと「社会的な地位向上」を目指しています。このプロジェクトでは、お母さん達が野菜を自分達で作り、それを市場で売り、場合に寄ってはグループで商売をはじめることを通して、いろいろな学びを得ていきます。所得を得ることができますので、それが自信につながり、自分達の立場をもっと改善していこうという意欲も湧いてきます。また、現金収入で不足していた穀物を買うこともでき、野菜と共に食糧不足の改善にもつながります。

キャパシティビルディングの支援で大事なのは、「ドナーや支援するNGOは縁の下の力もちに徹する」ということです。しかし、何もせずほうっておくのではなく、必要に応じて導いてあげなくてはいけませんが、決めるのはあくまで受益者であるお母さん達でなくてはなりません。「金は出すけど口は出せない」といった、支援する側にとっては一見おもしろくありませんが、「自分達の力で成し遂げた」ということを実感してもらうことが、なにより受益者が自信を持ち、今後の自立に向けたステップアップの活動への意欲を高めてもらうことにつながります。そして、ゆくゆくは、プロジェクトそのものを受益者である自分達で決定し創り上げる、NGOは最低限の資金とアドバイスを提供し、運営の多くの部分も自分達で担えるようになる・・・ それが、開発プロジェクトにおける、キャパシティビルディングの支援の目指すところなのです。


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