AMURT
アムルトジャパンとは
アムルトジャパンの活動
ニュースレター/年次活動報告書
アムルトジャパンを支援する
ニュース
リンク
企業の皆様へ
お問合せ
 
e-kokoro
E-ボランティアネット
 


現地報告レポート

第1回(2006年6月21日〜6月28日)
第2回(2006年6月30日〜7月12日)
第3回(2006年7月13日〜7月25日)
第4回(2006年7月26日〜8月4日)
第5回(2006年8月7日〜8月22日)
第6回(2006年8月23日〜9月6日)

第2回(6月30日〜7月12日)

30/06/06 開発=Social Change(社会の変化)とその犠牲
今日は朝から歩いて近所の郵便局に行く。この近所にある郵便局は大変小さく、普通に歩いていては目に付かないような場所にある。
日本に手紙を送るのも英国に手紙を送るのにも同じSLR30ルピーだった。何日かかってつくかはまだ分からない。
アムルトコロンボオフィスから郵便局に歩いて行くまでの道のりに住宅地を通っていくのだが、やはり日本人または東アジア人は珍しいのかジロジロと見られる。
この間の道のりを歩くたび思う事は「懐かしい」ということである。もちろん私の幼少時期には日本はもう産業化され先進国の道を既に歩んでいたが、私の育った場所は少し都会から離れていたこともあり、スリランカの土地をなぜか懐かしく思う。
Food City(コンビニのようなもの)にでかけてもスタイルが日本に良く似ている。
そう感じる理由がアジアと日本の文化が似ているからなのか定かではないが、この懐かしさをなんだか嬉しく思う一方で開発というのは本当にいいことなのだろうかと疑問に思う時もある。小さい頃、私の住んでいた町は一面見渡す限り田んぼや山で囲まれていた。しかし今は電車の駅もでき、土地も整備され便利になった。その反面、人々との絆やコミュニティーが失われつつあるように感じた。
地域開発が人々の生活を便利なものにし、貧困で苦しむ人が少なくなるのは一番良いことだが、その代わりに犠牲になるものも多い。これをまた実感した。
午後からゴールに向かう。明日のプログラム開始に向けスタッフに簡単なミーティングが行われる。明日から2クラスの授業が始まる。いよいよプロジェクト開始だ。私自身のプロジェクト内での役割-まず受益者一人一人の写真をとる。そしてコース進行状態報告書を英語で作成する。

04/07/06 マイクロ・ビジネス授業開始
今日の業務内容はまず朝から前回のlivelihoodプロジェクトの進行状態報告書の整理といよいよ今日から始まる第二回目のマイクロ・ビジネス授業開始準備に追われた。今回は前回プロジェクトの進行状態に関しての問題と、マイクロ・ビジネス授業開始について書きたいと思う。

• 2006年度生計復興マイクロビジネスプロジェクト開始
朝からアムルトスリランカスタッフのニシャンタとラリスと私はマイクロ・ビジネス授業開始準備に追われる。今回のプロジェクトは2クラスごとに分かれて行われ、一クラス23名で構成されている。
内容はマイクロビジネス理論授業を5回そして実技授業が5回行われる。
先生はまず一人一人にマイクロビジネス授業を受ける上でのプログラム参加の目的、目標を紙に書かせる。

自己紹介をする受益者 マイクロビジネスコース参加の目的・目標を紙に書く受益者達

授業はもちろんシンハラ語で行われるため内容は理解できないが、授業に立ち会っている最中に次のことをよく感じた。まず、先生(Mr.ダヤラスナ)が生き生きとして授業をしていること。そして生徒(受益者)の反応を見ながら授業を進めていること。基本的なことかもしれないが、とても大切なことだ。授業を進める中でも生徒は授業内容をしっかり理解していると思う。なぜかというと、先生が内容を確認する度に生徒は積極的に聞かれなくても回答していたからだ。授業中何度かドッと笑いが起こる事もあり、一人だけ言語を理解できないことを歯がゆく感じた。

授業の合間にギントテ・コスガッハワッタ地域で長いカーペットを作る受益者に会わせてもらう。この長いカーペットを作成するにはかなり高い技術が必要とされる。受益者エルディカンティさんはコロンボの市場に既に独自の販売経路持っている。これはアムルトの協力なしにエルディカンティさん自身が開拓したもので、カーペットを売るのに大変役に立っているらしい。
残念ながら雨が降っていたため、カーペット作りを見ることは出来なかったが、また訪れる機会は沢山あるので、その時にもう一度紹介したい。

どの地域の受益者を訪れても感じることだが、受益者とアムルトスリランカスタッフとの交流は深い。今日も一人の受益者からフルーツを頂く。

• 第一回受益者進行状態報告書
さて、もう一つアムルトスリランカで今議論されているのは第1回livelihoodプロジェクトの受益者のプロジェクト後の進行状態の報告書である。
報告書にはいくつかの質問。例えば
・1ヶ月の収入
・アムルトの支援なしにどうやって資材を得ているか
・収入のどれくらいを貯蓄できているか?
そして最後に
・コメント欄
このコメント欄をスタッフは英語に通訳して、英語版の報告書を作成するのだが、気になった点が一つある。
そのコメント欄の回答が全てポジティブという事だ。Mr.マヌと話しをしていたところ、Mr.マヌもこれを心配事だと話す。回答がポジティブなのはいいじゃないかと思われるかもしれないが、報告書はNGOの機嫌取りの為に使われるのでなく、受益者の生活改善真実を基にし、さらなる改善の余地があるかどうか、またはドナーに進行状態をはっきりと伝えなければいけないからだ。もちろん現地スタッフは受益者の生活状態がどう改善しているか受益者を直接訪れ確認している。例えば収入が子供の教育に使われているかどうか。(筆記用具や勉強道具)または薬や生活用品を買えているかどうか。(受益者の自立性)
受益者は真実を伝えるとアムルトの援助がなくなるのではないかといった理由で、真実を伝える事を恐れる場合もある。現状を正確に把握するためにも報告書の目的と書き方を受益者に教える必要があるという結論に至った。

05/07/06
今日も授業開始前に受益者を訪れる。受益者を度々訪れるのは昨日話題にした受益者の報告書の問題点解消につながる。今日訪問した受益者ディティーニさんはスリランカ新年祭に沢山のクッションカバーを売り、新しい冷蔵庫を購入した。こうして報告書上では見えないが受益者の家庭を直接訪れることによって、アムルトスリランカが目指している受益者の生計自立を確認することができる。ニシャンタは報告書を回収する際に直接受益者を訪れているので、私も出来るだけ同行し、報告書につなげたいと思う。

今日初めてゴール市街を歩く。ゴールで津波は2回起きた。その際に商店街は全滅したという。
市街には人の死体でいっぱいになり、2ヶ月もの間救助なしに、放置されたという。そしてもう一人の受益者マーラガギさんを訪問し、話しを伺った。彼女の夫は心臓病持ちで仕事が出来ない状態にある。博物館の仕事を引退し、年金生活に入る。そのなかでマーラガギさんの衣類制作から得る収入は子供たちの教育費や旦那さんの治療費に欠かせないという。こういった話の中で私の頭に焼きついた一言がある。

「津波は私達が何十年も経って築きあげてきたものを一瞬にして波と一緒に持っていってしまった。」

阪神大震災でも実感したものだが、人が長い年月かけて築きあげた物を自然災害は一瞬にして崩してしまう。だがこうして復興作業を見て、参加して思うが、人はめげずにまた立ち上がり協力し合い生活を築く。自然災害は人々の生活を奪ってしまうが、その一方で復興協力といったものをもたらしてくれる。こうした辛い災害から復興のプロセスで学ぶ事は数え切れないと私は思う。

結婚の儀式を行う台 左から私、ハリンディそして
旦那さんのダーシャナさん
06/07/06     
朝から同僚ハリンディの結婚式の為、みんなで贈り物をゴールの街まで買いに行く。そしてもう一度事務所に戻り準備をするのだが、ここでカルチャーショックを体験する。今は女性の同僚がみんな休暇を取っていて事務所に女性は私一人なのだが、男性が支度をするのにかなりの時間を要することにビックリ。日本や他の国では大抵用意をするのに女性が長い時間を要し、男性が待つといったイメージがあると思う。しかしここスリランカでは違った。それとも女性はもっと長い時間を要するのだろうか。
やっとハリンディの実家(結婚式場)に到着。私達は昼食会だけに招かれた為、スリランカ式結婚儀式は目にすることは出来なかったが、女性はみんなサリーを着る。そして昼食の前に新婦の母親が水が入ったグラスを持ちそれを招かれた人たちは二人の結婚を賛成するジェスチャーとして、グラスに触れる。幸せそうな二人を見て私も幸せな気分になり嬉しかった 。

<簡単なマイクロビジネス授業内容>
1日目
ビジネスの種類-大・中・小
例題)小:コイアロープの製造、飴製造といった小さな製品
プロセス
1. ビジネス名
2. 自己経営ビジネスとして地方政府に登録する
この地方政府から了承を受けたビジネスはスリランカ国内で有効

2日目 
資本の集め方
例)2500ルピーがビジネス立ち上げに必要
貯金から1000ルピー、両親から1000ルピーそして友達から500ルピーといったこと。
場所
製造場所と販売場所の違いを確認する
コイアロープを製造するのにはもちろんココナッツの木が多いところや、川の近くがよい(ココナッツの繊維を洗う)
しかし、販売場所はもちろん道路や街、人が多いところがいい。
時期
製造品は時期、季節によって変わる
1月~3月:新学期が始まる為、学生服を作成する
スリランカ新年祭:伝統的な物、服を製造する
5月~:幅広い種類の製品を製造する。衣類、レース、クッションカバーなどなど。
12月~1月:新年の為、また伝統的な物を製造する

3日目   マーケットストラテジー(戦術)
市場競争で生き残る為には工夫が必要
品質の良さで売買の力関係が左右される
=品質が良いと、売り手の方に値段の決定権があり、品質が悪いと買い手に値段の決定権がある。
AさんとBさんは同じコイアロープを同じ値段5ルピーで売っているとする。この場合何が差をつけるかと言うと製造の早さと工夫である。例えば同じ値段でコイアロープの長さを変えるとか、製造過程を早めることで製造の量も増え、売れれば利益も上がる。
3つの支払手段
• 現金
• チェック
• クレジット
原材料を買う上での支払方法はチェックが勧められる。なぜかというと、チェックは銀行口座から料金引き出し日が設定できるからだ。ということは資本金と経営管理ができるようになる。
これは現地スタッフに通訳してもらったものなので、多少のずれはあると思うが、大体こういった基本的な内容となるらしい。

夕方は前回受益者のビジネス進行状態報告書を回収しにヒッカドゥア地域のテルワッタに行く。このエリアは南部でももっとも被害が大きかった場所といわれる。津波で流された電車と共に亡くなった人々の為のモニュメントが立てられた場所でもある。しかし今では受益者や地域の人々が元気よく生活する姿が見られた。
列車事故被害者慰霊塔 電車が津波で流された時の様子が
彫られた作品
タワラッタで暮らす女性と子供


07/07/06 買い物からスリランカ貿易情勢がわかる!?
今日は先生が欠席の為、ニシャンタが授業を代わりに行う。ニシャンタは前回のマイクロビジネス授業中もずっとクラスに参加している為、私に授業内容を説明する時も内容をもう覚えているかのように簡単にしてくれた。授業中にはニシャンタの力強い授業に受益者達の真剣そのもの表情が見受けられた。

こうしてアムルトスリランカのスタッフは授業開始から終了後も進行状態報告書を通し、頻繁に交流しているため、受益者の問題や進行状態がよく把握できていると思う。例えば7月5日の報告書の中にディティーニさんは衣類を売りその収入で冷蔵庫を買ったと報告したが、こういった個人個人の情報にアムルトスリランカはよく把握できている。受益者の生計自立を確認する一番効果的な方法だと思う。
今日の夕方にコロンボに戻る。また車の中でMr.マヌから今回のマイクロビジネス内容を思い至ったプロセスについて話してくれた。ゴールからコロンボへの道のりは大体3時間弱かかる。その途中でよく車を止め、屋台でチックピーを買っていたそうだ。その際に今回マイクロビジネスプロジェクトに含まれる男性の為のプロジェクト「屋台」を分配することを新しく取り入れた。
よく発明家は日々の生活からいいアイディアが浮かぶと言われているが、開発のプロジェクト考案もこれと何等変わりない。
livelihoodプロジェクトはスリランカ社会独特の仕事内容を考慮しなければならない為、こうして地元の人々と接している中でいいアイディアが生まれるものである。こうした話しを聞きながら、チックピーを車の中で食べながら「ああ、いい勉強になったなあ」と感じた。
ところがその1時間後、私とMr.マヌは腹痛に襲われる。このチックピーは私達によいアイディアを与えるきっかけにも腹痛の原因にもなったこの皮肉な状態に笑いが止まらなくなった。


3つのコイアロープを一つに編みこんでいく
用紙に描いたデザインを板の上に釘で止めていく
ツールセットにコイアロープを通していく(マイナスドライバーの先にコイアロープを通す為の穴が開いてるようなもの)
そしてデザイン画の外淵からコイアロープをぐるぐると内側にそって巻いていく。その際にロープの位置が崩れないように何ヶ所も釘で止めていく。
模様に編まれたコイアロープを更に違うロープで一緒にとめていく

11・12/07/06  資本主義の現実
今日から実習クラスが始まる。まず先生のダヤラトネさんはコイアロープから更に太いロープを作る為にその編み方を教える。今日の授業内容は次の順に沿って行われた。

1. 3つのコイアロープを一つに編みこんでいく

2. 用紙に描いたデザインを板の上に釘で止めていく

3. ツールセットにコイアロープを通していく(マイナスドライバーの先にコイアロープを通す為の穴が開いてるようなもの)

4. そしてデザイン画の外淵からコイアロープをぐるぐると内側にそって巻いていく。その際にロープの位置が崩れないように何ヶ所も釘で止めていく。

5. 模様に編まれたコイアロープを更に違うロープで一緒にとめていく

作業1では個人個人に分かれて編み方を練習する。私が見る限り受益者の中にロープの編み方をもうすでに経験している者もいた。スタッフのニシャンタにどうして経験者がいるのかと尋ねてみると編み方や作り方をしっているけれど、ビジネスの始め方を知らないとか、地元の市場では安い為あきらめる者もいるという。しかし海外市場では国内市場に比べ、値が上がる為、受益者の知識を広げ、市場拡大を目指すのもこのプロジェクトの目的の一つだ。
一方で、経験者、上級者もいれば、中にはやはりもう既にクラスについていけていない者もいた。そしてその中には学ぶ興味を失っている受益者もいた。そういった姿の者を目にした為、先生に直接指導するように頼む。しかし興味を失っている生徒に教えるのはなかなか難しいものだ。

受益者のやる気の違いや実力または経験の違いには資本主義の現実が絡みこんでくる。トレーニングプログラムは一クラスは23人で構成される。この中でコイアドアマットレスを製作するものは6人から8人となる。他の15人から17人はコアロープ作製担当となる。第一回の報告書で触れたと思うが、このドアマットを作るのはかなりの力仕事である。だからドアマットを作りたいという受益者は若手の女性に偏ってくる。年配組の受益者はコイアロープの作成を希望する傾向がある。
23人中6人を選ぶにはもう一つ理由がある。それは市場を重視した時に市場維持を考慮してのことである。
仮に今回プロジェクト受益者全員(420人)がドアマットを作るとする。そうすると市場での製品の数が急激に増え、製品価値が下がり、それと共に値段もさがる。これでは社会やコミュニティーまたは市場の維持または持続性がない。受益者を選ぶ際にもなるべく経験者を選ぶのもこの理由があるのも事実だ。
Livelihoodプロジェクトはいつも地域に根ざした自立性を考慮する必要がある。限られた市場で、同じ仕事をするものを沢山輩出してはその製品の価格低下の原因となる。こういった問題を配慮しながらも更に貧困で苦しんでいる人たちを仕事の能力や関心の高さに関わらず受益者として選ばなければならない。だからクラスの中で能力が偏ってしまうのも仕方ないことなのかもしれないが通常プログラム修了時に1クラスから6~8人が優秀なコイアマット製造者となりその他は原料となるコイアロープだけを作ることになる。これは経済用語でいう比較優位性ではないが、自由貿易という点からスリランカの特産品を得意分野毎に受益者がクラスの中で役割分担をすることにより、高い生産性を実現しみんなに利益がいきわたるといった様に解釈される。現実はそううまくいかないのは周知のことだがこれが市場のしくみを考慮した上での現実である。
大学で比較優位や 競争力優位などの 資本主義市場のしくみを学んだが、生計復興計画プロジェクトの中で経験するとは思ってもみなかったので、ここで資本主義の現実を目の当たりにする。



ページトップ

2006 AMURT Japan All rights reserved